CBDについて知る
厚生労働省認定済みCBDとは
インターネットなどでCBD関連の商品を見ていると厚生労働省公認や国が安全性を保証していると書かれている広告を目にしたことはありませんか?
日本の法制度や厚生労働省とCBDの関係から、これらのフレーズの真偽について考えていきましょう。
厚生労働省とCBD
厚生労働省とは、国民の生活の保障・向上と経済発展のため、様々な幅広い任務を担当する行政機関です。大麻や薬品関連で言うと「麻薬取締部」「医薬安全対策課」「麻薬対策課」なども厚生労働省の管轄です。
CBDだけに限らず、様々な新しい成分や薬に対して国として製造・販売の許可を出しているのも厚生労働省の仕事です。
一方、海外からのCBD製品の輸入時のカギとなる税関は、財務省の管轄です。
空港で不正貿易の取り締まりを行っているのは財務省の税関職員で、基本的な税関での作業は財務省が管轄となっています。その中で、大麻草や違法薬物など「大麻取締法」と「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されるものに該当する疑いがあるものに関しては、管轄が厚生労働省の麻薬取締部へと移るという仕組みです。
厚労省の認可とは
海外から大麻関連の製品を輸入する際には、厚生労働省に輸入許可申請を行う必要があります。日本では違法とされている大麻に関する製品であっても、以下の条件を満たしていれば輸入許可を得ることができます。
②産業用ヘンプの成熟した茎もしくは種をのみを原料としていること
③下記必要書類が揃っていること
・証明書
・成分分析書
・写真等
国のいう大麻の定義とは「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」となっていますが、「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く」という例外があります。厚生労働省では、製品が国の定める大麻に該当するか否かを提出された書類から判断して輸入の可否を審査しています。
申請には、製造元から発行を受けた書類や写真に加えて製品のロット番号などの諸情報が必要となり、上記の条件を満たしていれば、厚生労働省から輸入許可が下り税関を通過して輸入することが可能となります。しかしこれはあくまでも輸入手続きのワンステップに過ぎず、この輸入許可をとった後にも、サプリメントなど医薬品等に該当する製品であれば福祉保健局の薬務課へ・食品としての輸入の場合には検疫所や食品監視課といったように製品に合わせた手続きを踏み、必要に応じて審査を受け許諾を取得していく必要があるので、労働省が出しているのはあくまでも輸入に関わる許可の一部であることがわかります。
認可=安全とは限らない
厚生労働省による輸入許可申請における注意事項には、下記のような記載があります。
・許可が降りたあとでも税関や厚労省による検査でTHCが含まれていれば大麻取締法に基づき処罰を受ける可能性があります。
この内容からも、厚生労働省としてはあくまでも日本の法律により定められた大麻ではないことを書類上判断して輸入を認めているだけであり、CBDの効果や製品の安全性を認めているわけではないことが読み取れます。このような注意書きがされている理由としては、書類の偽造や虚偽申請の可能性、植物由来の天然成分なので製品一つ一つに成分のバラつきがあることが想定されるからでしょう。
実際に、輸入が許可された製品の中に違法成分が混入していたということで回収となっているものも複数報告されています。労力的な面から考えても、輸入される商品全てを国内の研究所で成分検査するワケにもいきません。
そのため厚生労働省では、一旦は書類上で審査を行い輸入の許可を出しているだけに過ぎず、国内に紛れ混んでしまった違法性のある製品に関しては抜き打ちの成分検査などを行って摘発をしています。厚生労働省ではCBD製品の輸入や使用に関する様々な注意喚起や情報提供をおこなっていますが、2022年4月現在でCBDの薬理効果や健康効果についての公式の見解は発表されていません。日本の国としてのスタンスは、あくまでも自己責任の元で使用する嗜好品としての位置付けであることが伺えます。
安全性や効果はきちんと確認しよう
「厚生労働省の許可が下りている」というフレーズを聞くと、国が安全性や効果を認めているのではないかと誤認してしまいがちです。実際に厚生労働省が出している許可の意味とは、あくまでも輸入に関する許可に過ぎず、安全性や効果についてはその範疇ではありません。
消費者に誤認を与えるような表現が少しでも減り、正しい認識の元でCBDを使う人が増えることが祈念されます。