CBDについて知る
日本におけるCBDの法規制について学ぶ
日本の法律における麻の取り扱い
日本には大麻取締法という大麻について細かく定められた法律があります。 話題のCBDを使用することや、CBDを所持することが違法か合法かを理解していくために、絶対に知っておきたい必要なポイントをご紹介します。
大麻取締法 第一章 第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。 第六章 第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。 次の各号の一に該当する者は、5年以下の懲役に処する。 ・第三条に違反して、大麻を使用した者
引用元:厚生労働省大麻取締法
麻という植物の中でも、この法律において大麻に該当するものを禁止している法律です。 大麻取締法第一章第一条を簡潔にすると大麻草の茎と種子はOK、それ以外の部分は加工品も含めて全面的にNGと記されています。
そして、許可なく大麻を栽培・輸入した場合には7年以下の懲役・研究目的以外で大麻を使用した場合には5年以下の懲役刑が科せられます。
大麻ではない?麻の茎と種の製品とは?
大麻に分類されず、大麻取締法で許可されている麻の茎と種について触れていきます。麻の茎は頑丈な繊維がとれるため、衣類や布製品・ロープの原料として重宝されています。
麻の種には脂肪分とたんぱく質が豊富に含まれており、麻の実という名称で食品として扱われています。市販されている七味唐辛子や鳥や小動物などペットのエサに配合されて販売されるなど、私たちの身近なところに存在しています。販売に際しては、発芽作用を防ぐために加熱加工が必要です。
大麻草であっても、茎や種に関する製品を使用・摂取することは違法行為ではありません。安全性も確認されており、大麻の中でも精神作用効果の大きいTHCという成分は含まれていません。
大麻取扱者とは?
大麻取締法 「大麻取扱者」とは、大麻栽培者及び大麻研究者をいう。 都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で、大麻草を栽培する者をいう。 都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、又は大麻を使用する者をいう。 第一章 第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。 第二章 第五条 大麻取扱者になろうとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の免許を受けなければならない。 次の各号のいずれかに該当する者には、大麻取扱者免許を与えない。 麻薬、大麻又はあへんの中毒者・禁錮以上の刑に処せられた者・成年被後見人、被保佐人又は未成年者 第三章 第十六条 大麻研究者は、大麻を他人に譲り渡してはならない。ただし、厚生労働大臣の許可を受けて、他の大麻研究者に譲り渡す場合は、この限りでない。
引用元:厚生労働省大麻取締法
現在国内において、大麻を栽培・研究する場合には、厚生労働省の定める条件をクリアした上で都道府県知事の許可を受けた大麻取扱者として認められることが絶対条件です。大麻取扱者は、誰でも申告すれば許可を受けられるというものではなく、栽培環境やその理由など厳しい審査が行われます。
大麻取扱者として認められた後も、1年に1度、事業の報告および資格の更新を行う必要があります。厳重な監視の元において、THCの少ない産業用のヘンプだけを栽培していくことになります。 また大麻取締法では、茎と種以外の使用は認められていませんので、 栽培した大麻の葉や花といった部位については破棄しなくてはなりません。
CBDを使うのは合法?
2020年4月厚生労働省はCBDについて以下の内容を発表しています。
- 大麻草の成熟した茎又は種子以外の部位(葉、花穂、枝、根等)から抽出・製造された 製品は、「大麻」に該当します。
- 大麻草から抽出・製造されたかを問わず、大麻草由来の成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)を含有する CBD 製品は、「大麻」に該当しないことが確認できないので、原則として輸入できません。また、化学合成された THC は麻薬及び向精神薬取締法で「麻薬」として規制されていますので、原則として輸入できません。
上記に該当するような製品については、輸入者だけでなく実際に使った人も麻薬取締法違反となってしまいます。
では、違法ではないCBD製品とはどのようなものなのでしょうか?
・CBD成分の抽出元が、麻(ヘンプ)の茎と種子
・医薬品ではなく、健康食品
この3つの条件を満たしているCBD製品であれば、購入・使用共に合法ということになります。国内の大手インターネットサイトで販売されているものなどは、原則、上記3項目を満たしたもということになるでしょう。
医薬品は?
多発硬化症の筋肉痙攣や疼痛・睡眠障害の治療に使われる
難治性てんかんの治療薬として使われる
この2つは、CBDを含む製品として実際の医療現場で活躍している薬です。このうち、サティスベックスに関しては、日本の大手製薬会社である大塚製薬がアメリカでの開発・販売権を取得したことでも知られています。 これらの薬はカナダやオーストラリア・スペインといった国々では必要に応じて一般的な薬と同じように処方されています。
大麻取締法では医療目的の大麻使用が禁止されています。そのため、大麻から抽出した成分で作られた上記の薬が国内で販売されることはありません。麻薬は指定薬物ですので、指定薬物成分で作られた上記の薬を輸入することも違法行為となりますので注意しましょう。
国内産のCBD製品が売られているのはなぜ?
大麻取締法では、麻の樹脂は大麻に分類されます。麻の中でもカンナビノイドが採れるのは樹脂からです。そのため、CBDをはじめとしたカンナビノイドの抽出やカンナビノイドを含む健康食品の製造を国内にて行うことはできません。
それにも関わらず国内のインターネットサイトでは、国内産をうたったCBD製品がいくつも販売されていますが、 国内産とは、国内で採れたCBDではなく、国内で加工したCBD製品を意味します。 CBDの結晶やCBDオイルの元となる原料を海外から輸入し、日本で加工・パッキング・販売を行っているのです。一見すると国内産のヘンプから抽出したCBDを使っているように感じてしまいますが、海外で抽出されたCBDが使われています。 国内で生産されているヘンプを使って、CBDなどの抽出を行うことは認可されていません。