洗濯洗剤・柔軟剤について学ぶ
愛用者の多い粉洗剤の特徴メリット・デメリット
衣類用の洗濯洗剤は、石鹸・粉末・液体・ジェルボールと4つの種類があります。それぞれの形状ごとにメリット・デメリット・どういったシーンに向いているかなど異なる特徴を持っています。
今回は、コストパフォーマンスが良く人気の高い「粉末洗剤」について詳しく解説していきます。
粉洗剤とは
成分に水分が含まれていない、粉末状の洗剤のことを「粉洗剤(合成洗剤)」と呼びます。一般的に売られている粉洗剤の多くは「合成洗剤」で、本記事でもこの合成洗剤のことを指して「粉洗剤」として紹介していきます。
粉洗剤は、洗浄成分として界面活性剤に加えて酵素や漂白剤も含んでいます。そのため、液体洗剤やジェルボールが中性洗剤なのに対し、多くの粉洗剤は弱アルカリ性です。
洗濯機という文化が生まれてからは、この粉洗剤が洗剤市場において主流となっています。現在は液体洗剤の市場規模が拡大し粉洗剤を越える流通量となっているとも言われていますが、粉洗剤には液体洗剤とは違った様々なメリットがあるため今でも多くの人が粉洗剤を利用しています。
粉洗剤(粉末石鹸)とは
粉洗剤の裏面を見てみましょう。多くの製品は「合成洗剤」と書いてあるのに対して、同じ様に粉洗剤の形状で「粉末石鹸」というものがあります。見た目こそよく似ていますが、これらは異なる性質を持った別ものだということを覚えておきましょう。
石鹸…天然油脂や脂肪酸から作られた“純石鹸分”
液体・粉末・ジェルボールなど形状は異なれ“洗剤”と呼ばれるものは、界面活性剤という成分を主原料として汚れを落としていきます。一方で“石鹸”には界面活性剤は含まれていません。
石鹸は化学的な成分を使用していないため肌への刺激が少なく優しい洗浄力で洗いあげるというメリットがありますが、洗剤と比べて洗浄力や弱く価格も高価です。
粉洗剤のメリット
・コストパフォーマンスに優れている
粉洗剤最大のメリットは、洗浄力の強さです。酵素や漂白剤も配合されているものが多く、アルカリ性という性質を持っているため、とにかく汚れ落ちがよいのがメリットです。
衣類につく主な汚れは、皮脂や汗による酸性の汚れです。アルカリ性の粉洗剤はこれらの汚れと中和反応を起こすことで、繊維に染み込んだ汚れを落とすことができるという仕組みです。界面活性剤の量は液体洗剤と大きく変わることはありませんが、アルカリ性という性質があるため汚れにダイレクトに働き強い洗浄効果を発揮するのです。
また食品による油性の汚れや衣類の繊維に入り込んだ泥汚れなども、その高い洗浄力でしっかりと落としきることができるため、とにかく汚れ落ちを重視したいという家庭では重宝されるでしょう。
もう一つのメリットは、他の洗剤と比べて全体的に値段が安価であるという点です。今主流となりつつある液体洗剤や第三の洗剤と呼ばれるジェルボール洗剤と比較すると、1回あたりの金額が抑えられるため1日に何回も洗濯機を回すという家庭に向いています。
粉洗剤のデメリット
粉洗剤は、水にとけて洗剤液となることで衣類に対して強い洗浄力を発揮します。粉末のまま衣類に振りかけても繊維の中に浸透していくことはできないため、いかにしっかりと水溶かすかという点が重要となってきます。洗濯機の中でうまく水に溶け切らないと、せっかく入れた洗剤を無駄にすることになります。
気温の低くなる冬の時期は溶け残りが生じやすくなるとされ、30℃~40℃くらいのお湯に一旦洗剤を溶かしてから、洗濯機の洗剤投入口に入れるとよいとされています。この手間が、粉洗剤の大きなデメリットとして挙げられます。
洗浄力の強い粉洗剤が十分に洗い流せていない服を着ることで、肌荒れや痒みといった肌トラブルを起こすことがあるため、粉洗剤を使用する際はすすぎ2回が基本です。
すすぎは衣類に洗剤を残らせないようにする働きはもちろん、汚れを残さず洗い流すという意味も兼ねているのでデメリットばかりではないものの、水道代や洗濯時間という点で不便に感じる方も多いとされています。
また、粉洗剤を湿気のある場所に保管すると、空気中の水分が粉末の表面を溶かすことで周りの粉とくっつき、塊になってしまうことがあります。普段から使用後はしっかりと蓋をし、長期間使わない時は密閉し湿度の少ない場所に保管するなどの配慮が必要です。
粉洗剤の洗浄力は高い
粉洗剤は溶け残りが出るので面倒というイメージを持っている方も多いでしょう。ひと昔前の粉洗剤は、そのまま洗濯機に入れると溶け残りが起こるためお湯で溶かす手間がありましたが、現在は製造技術も向上し、より水に溶けやすい作りになっていますので極端に水温が低い時期でなければ問題なく使うことができるでしょう。
洗浄力が高く日常的な汚れの大半は綺麗に落としきってくれるので、予洗いが面倒だという方や子供がいて汚れものが多いというご家庭には、粉洗剤がおすすめです。