CBDについて知る
CBDの効果と期待されていること
CBDの働き方
外界や体内から受ける刺激は、生物の身体の中にある受容体という器官に反応します。受容体はレセプターとも呼ばれ、受け取った刺激を細胞に伝えることで、身体に作用させていきます。
CBDは人間の体内において、受容体を含めた65種類もの作用標的があることが特定されています。作用する箇所が多いということは、効果のある症状も広いということに繋がります。
この影響力の大きさと、精神作用のない安全性の高さこそが、CBDが世界から高く注目されている理由だと言えるでしょう。
2018年7月の時点で、CBDの医療行為に関して行われている試験は140件以上にのぼります。CBDに関する研究は世界各国で盛んに行われており、事実証拠と呼ばれる大麻を用いた医療にて救われたという体験談は無数に報告されています。
しかし科学的研究という意味では、まだ十分でない部分が多いのが現状です。CBDの医学的根拠を厳密に裏付けてくれるような、CBDを医薬品として開発を進めていけるような臨床データは存在していません。
まだ基礎実験段階ともいえるCBD治療ですが、大きな可能性が期待されさまざまな治療への応用ができるものと考えられています。
ただ、CBDを薬としてどう使うのかが最適かといった点については、まだまだ遠い段階という認識を持っておきましょう。
確認されているCBDの効果はある?
CBDが作用することが特定されている受容体などの作用標的の中で、CBDがどのように作用し、どのような効果があるかという点まで明らかになっていると考えられるものをご紹介します。
カンナビノイド受容体であるCB1・CB2という受容体に間接的に作用する他、4つの受容体への働きが確認されています。
CB1/CB2受容体
CBDには、アナンダミドとアデノシンという2つの物質がCB1/CB2受容体に取り込まれることや分解されることを阻害する働きが確認されています。
脳内のアナンダミド量が増加することで身体にさまざまな良い効果をもたらし、アデノシンの取り込みを阻害することで抗不安作用・抗炎症作用が発揮されるという仕組みです。CBDが直接的ではないものの間接的に身体に良い効果をもたらしていることが分かるでしょう。
セロトニン5HT1A受容体
セロトニン5HT1A受容体は、CBDが直接的に作用することが分かっているといわれています。
CBDがセロトニン5HT1A受容体に作用することで、受容体が活性化されセロトニンの効果を十分に発揮することができるというプロセスです。また、身体が使えるセロトニンの量を自然に増やすことも確認されています。
結果として、不安感・食欲・睡眠・痛みの認識・気分の悪心と嘔吐の抑制・性行動などに対して効果が期待されています。が発揮されます。
TRPV1受容体
TRPV1受容体は、疼痛知覚や炎症・体温などを調節する受容体です。CBDはこの受容体にも直接働きかけることができます。
これにより神経の炎症を抑え、感じる痛みを軽減するということに繋がっていくとされています。
GPR55受容体をブロック
CBDはGPR55受容体に対して、その働きをブロックする効果が確認されています。
GPR55受容体は、新しいがん細胞の増殖や骨粗鬆症の進行の原因となるシグナルを出してしまうことで知られています。この伝達を阻害する効果があるため、結果としてがん細胞の増殖を減弱・骨再吸収の抑制にCBDが効果を発揮するという仕組みです。
PPAR受容体
CBDはPPARγというたんぱく質因子を刺激する効果があるため、これによりPPARγは活性化され、様々な健康効果を得ることができます。
代表的なものとしては、「がん細胞の増殖をおさえる」「アルツハイマーに深く関係のある沈着物の分解」「代謝機能不全の解消」など広範囲での付加的効果が期待できます。
主要な効能
これらの受容体への作用からわかっている効果としては、以下のものがあげられます。
・抗酸化
・神経保護
・抗けいれん
・抗がん
・抗不安
他にも期待されるものや基礎実験段階では特定されているものなどはありますが、現在、CBDの医学的なエンビデンスは十分ではありません。
アメリカでCBDの研究者たちが行った調査によると、アメリカ人の14%がCBD成分を使っているという調査結果があります。利用者たちがCBD製品を利用する理由として挙げているのは以下の通りです。
抗炎症やリラックスといった効果を求めて、CBD製品を利用していることが分かります。
これからCBDに期待されるもの
現在進行している臨床試験では、具体的に以下のような疾患・症状に対する効果の有無が研究されています。
・コカイン依存症
・双極性性障害
・子宮頸がん/子宮体がん
・てんかん
・移植片対宿主病(GVHD)
・乳児けいれん
・プラダーウィリ症候群
・総合失調症
・スタージウェーバー症候群
現在はCBDの持つ神経保護作用に重点がおかれ、神経変異疾患について深く研究が進められています。