CBDについて知る
CBDが影響を与える脳内物質
人間の身体に良い効果を与える植物というのは数多く存在しますが、CBDは他の成分と比べて効能が幅広いことで知られています。
薬用大麻の栽培と研究を30年以上行っていることで世界的にも有名なレオナルド・レイナウ氏は、CBDの効能について「CBDは驚くほど幅広い適応症のある正真正銘の薬である。奇跡の薬とも言える」と述べています。
CBDに幅広い効能がある理由
CBDが幅広く体内で効果を発揮するのには、2つの理由が考えられます。
まず1つ目は、
「CBDがホメオスタシスの維持に強く関係できる」
という点です。CBDがエンドカンナビノイドシステム(以下ECS)の働きを活性化させることで、体内のホメオスタシス(恒常性)が正常に維持されるようになります。これにより「食べる・眠る・守る・リラックスする」といった生命の基本的なプロセスのバランスをとることが可能となります。
そして2つ目には「様々な脳内物質に影響を与えることができる」という点が挙げられます。CBDは上述したECSだけでなく、受容体を通して様々な脳内物質に影響を与えます。それにより影響を受けた脳内物質の働きが変化し、結果として身体に良い効果をもたらすという仕組みです。
今回はここに着目して、CBDが脳内のどのような物質に影響を与えるのか・それによってどのような効能が生まれるのかについて考えていきましょう。
CBDが影響を与える脳内物質
体内に取り込まれたCBDは、CB1やCB2という受容体に作用することで全身に働きかけを行います。このうちCB1受容体は脳内(海馬・視床下部・小脳・辺緑系・大脳皮脂・側坐核・脳幹神経節・髄質)に多く存在し、様々な生理学的影響を与えます。
具体的に脳内ではどのような働きが起こるのかを、CBDが影響を与える物質ごとに見ていきましょう。
アナンダミド
「至福物質」とも呼ばれ、幸福感・高揚感・リラックス感など心身に良好な効果を与える物質であると考えられている。
ワーキングメモリー・睡眠パターン・鎮痛・快楽の形成など、心理面・行動面で様々な働きが認められている一方で、分子自体は非常に弱く効果の持続性は短い。
CBDはこのアナンダミドの分解を阻害して、脳内に留まる時間を長くする働きがあります。効果の持続性が短いとされるアナンダミドをより長い時間脳内に留めておくことができるため、その効果をより長く得ることに繋がります。
セロトニン
CBDは、セロトニンの受容体である5HT1Aと非常に親和性が高いことが分かっています。CBDを摂取することで、セロトニンの脳内利用率を増加させる(働きを促す)ことができるので、心に余裕が生まれ精神状態が良好な状態を保つことができるようになります。
ドーパミン
CBDはドーパミン受容体に直接作用することができるとされています。脳内のドーパミン作用を高めると同時に、過剰に分泌されている時は働きを鎮めるなど適正な量を維持する働きをします。
サイトカイン
ウイルスの侵入などでサイトカインのバランスが崩れ過剰に分泌されてしまうと、自分の細胞も傷つけてしまうことがある非常に攻撃性の強い物質。
CBDはサイトカインの生産を減少させる働きがあることが分かっています。本来身体を守るために働く物質であるサイトカインが過剰に分泌されることで、逆に身体の健康な細胞を傷つけることをサイトカインストームといいます。このサイトカインストームによって、
脳症・急性肺炎・多臓器不全・抗フェリチン血症・異常な高熱など様々な症状が引き起こされます。
CBDはこのサイトカインストームを抑える可能性が期待できると、現在のこのコロナ禍で再度注目が高まっています。というのも、世界で5億人以上が感染し5,000万人以上が死亡した感染症「スペイン風邪」の主な死因がサイトカインストームであったとされているからです。このことから、CBDでサイトカインの産生を抑えることがコロナウイルス感染症の重症化を防ぐカギになるのではと、注目されて研究が進められています。
アデノシン
総じて身体をリラックスさせて睡眠状態に促すために働く物質。
アナンダミドと同じ様に、CBDが脳内でアナンダミドの分解を阻害することで利用率を上げることができます。また、CBDを高用量で摂取することでアデノシン自体の放出を促す効果があるとも考えられています。
自らの脳に働きかける
このようにCBDはECSに働きかけを行うだけでなく、自ら脳内の様々な物質に影響を与えることで身体に良好な効果を与えることができます。CBDは、身体性・精神性問わず様々な疾患の治療に有効であると世界中から注目が高まっています。
日々の生活にCBDを取り入れて、アクティブで健康的な生活を目指してみてはいかがでしょうか?