ペットについて学ぶ
ペットの大切な目を病気から守る
ペットのための医療保険を提供する 複数の保険会社の調査によると、ペットが罹患することの多い病気の一つに「目」に関する病気があげられます。
家庭で飼われている動物が目のトラブルを発症する原因と正しい予防策を知り、ペットを目の病気から守ってあげましょう。
ペットの目と病気
動物の目はとてもデリケートであるため、少しの刺激でも様々なトラブルの原因となります。動物の種類に関わらず、さまざまな目に関する病気を患うペットは非常に多く、最悪の場合失明してしまうケースもあります。
動物の目の病気というのは遺伝性が強いと言われており、日常生活の問題や日頃のケアの仕方等では防ぐことは出来ないものも多く存在します。確かに若年性白内障など遺伝的な要因が関与している疾患もありますが、ケガや内臓疾患が引き金となって発症する目の病気もたくさんあるということを知っておきましょう。
涙や目ヤニの量が増える・目の充血や目の色が気になるなどの症状が現れた時には、早めに獣医の診察を受けることが推奨されます。
乾性角膜炎
症状:瞼の痙攣 角膜の濁り 充血や目ヤニ・涙が増える
いわゆるドライアイとも呼ばれる病気で、涙液を生成する部分の機能不全による涙液生成量の低下や、涙液の成分に油分が足りなくなることで発生します。原因が明確に断定できないケースが多く、細菌やウイルスが目に入ることや爪や喧嘩など外傷、他にも代謝障害が原因となることもあります。
爪切りや飼育環境の衛生状況を整えることで予防できる部分もありますが、原因が多岐にわたるので万全を尽くしていても発症を防げないこともあります。
結膜炎
症状:充血や目ヤニ・涙が増える 痒みを伴うことが多く瞼が腫れるケースも
ホコリや細菌・ウイルスなど異物が目に入ることが発症の主な原因となります。被毛が目に入ってしまい擦ることやシャンプーやブラッシングスプレーなどの化学物質が目に入ることが原因となるケースもあります。
定期的な予防接種や室内の飼育環境を整え乾燥を防ぐことなども予防としては効果的です。
猫同士・犬同士では感染が広がる危険性があるので、多頭飼いをしている場合には隔離などの処置が必要となります。
白内障
症状:物体をハッキリととらえることができなくなり、視覚障害をもたらす。
加齢に伴うものや遺伝性のものも多いとされていますが、他の動物との喧嘩や事故などで目の水晶体が傷つくことがきっかけで発症するケースが主だと考えられています。
確実な予防法というのはなく、喧嘩を防ぐことや家庭内でのケガに注意を払うことが予防策となります。少しずつ視力が低下していき、物や壁にぶつかることでのケガや最終的に失明に繋がる恐れがありますが、早期の発見で進行を食い止めることもできるので日頃から目をよく観察してあげましょう。
緑内障
症状:目の色が濁る・視点が合わない・激しい痛み・視覚障害・光に過敏反応
眼圧が上昇することで強い痛みを伴い、最終的に視力を失う恐れのある病気です。
遺伝性と加齢による発症が最も多いとされています。
生まれつき房水を排出する期間に異常がみられるケースや、加齢により身体の代謝異常が起こることで発症するというものです。次いで、他のブドウ膜炎など眼疾患からの続発や外傷が原因となる場合もあり、原因が多岐にわたるのが特徴です。
眼瞼内反症
症状:皮膚や毛が眼球にあたることで炎症が起き、充血や目ヤニ・涙が増える
先天性疾患であるものが多く、大型犬やブルドッグなど顔面の皮膚が緩んでいる犬種が発症しやすいとされている病気です。軽度のものは無症状で済みますが、まつげや被毛が眼球や結膜に直接あたって痛みを伴う場合もあります。
何らかの原因で瞼が痙攣し元に戻りにくくなることや、小さな目の周辺の外傷が治る際に皮膚が変化することなどが原因で発症するケースも多く、放置することで、他の眼病を発症することもあります。
ブドウ膜炎
症状:涙が多くなり目が上手く開けられない・痛み・充血・視力の低下
原因が多岐にわたるため、明確に特定するのが困難なケースがほとんどだといわれていて、白目の部分が赤く充血し目を開けにくそうにするしぐさが見られます。一過性のものもありますが、発見がおくれると視力の低下や失明を引き起こす病気です。
白血病やトキソプラズマ病などが原因となって発症するケースなど、全身の様々な疾患から続発するとも考えらえています。ワクチンで予防できる疾患にはワクチンを摂取するなど、全身性疾患を予防することもブドウ膜炎の予防に大きな効果を発揮します。
涙・目やにを観察しよう
ペットの目の病気は遺伝性で予防が難しいものもありますが、外傷や衛生環境が原因となって発症するものもあるため飼育環境に気を配ることはとても重要です。
また、日々のケアの中で目の異変にすぐに気づけるようにしてあげることも大切で、涙の量や目やにの量が気になるときにはすぐに獣医に相談しましょう。