プロテインについて学ぶ
プロテインを活用した【疲れにくい身体作り】を始めよう
私たちが疲労を感じる時、体内ではどのようなことが起こっているのでしょうか？
疲労のメカニズムから、プロテインを使って疲れにくい身体を作る方法について考えていきましょう。
私たちを悩ませる疲れとは？
医学的には疲れを疲労と疲労感に分けて考えられています。日本疲労学会では、「疲労とは、過度の肉体的及び身体的活動によって生じた不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」であると定義しています。
身体を激しく動かしたり長時間活動し続けることによる身体的な疲れのことを意味し、一般的には休息をとることで回復するとされています。一方で疲労感とは、医学的に「脳疲労」「精神疲労」「中枢性疲労」とも呼ばれ、精神的な部分での疲れに対して使われる言葉です。
全身の倦怠感・脱力感・だるさなど、休息をしても改善が見込めず、中長期的に私たちを悩ませるのが疲労感です。日々のストレスや偏った食生活が原因となる他、精神疾患や睡眠リズムなどが元となることもあります。
疲労物質が身体に与える影響
疲労や疲労感を感じている時、体内では特定の物質の血中濃度が上がります。この物質を疲労物質と呼びます。3つの代表的な疲労物質がどのように増加し、心身にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。
活性酸素
脳は、ストレスや疲労感といった精神的なダメージを前頭前野という場所で処理しています。ストレスによる刺激が増えることで、前頭前野の働きが活発になり脳が大量の酸素を消費します。
酸素を消費すると、代謝により活性酸素という老廃物が産生されるのですが、これが「脳の疲労物質」の代表であるとされています。人間の身体には「活性酸素を処理する」という機能があるのですが、処理しきれない量の活性酸素が溜まることで前頭前野の細胞がダメージをうけ機能不全に陥ります。これにより、作業効率の低下・やる気の喪失・不眠といった症状が出ます。
インターフェロン
活性酸素による酸化ストレスを解消させるため、脳は全身の免疫細胞に司令を出し免疫物質を分泌させます。この免疫物質の一つにインターフェロンというものがあります。インターフェロンは身体を病原体から守ることができる有益な物質である一方、過度に分泌されることで脳内のセロトニンの分泌を阻害するという働きがあります。
別名、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌が阻害されることで、意欲の低下・鬱感・疲労感といった症状が出ます。また、ホルモンバランスが乱れることでの頭痛や肩こりを引き起こす原因にもなると考えられています。
アンモニア
体内でたんぱく質が代謝されると発生するアンモニアは、通常は肝臓で尿素となり対外に排出されるというルートを辿りますが、肉体疲労や精神疲労が原因で肝臓は機能不全を起こします。
これにより分解されずに体内に蓄積されたアンモニアは、血液を介して脳へと移動していきます。アンモニアは、神経に対して毒性のある物質であるため、脳の機能を阻害すると考えられています。
また、脳にアンモニアが溜まり血糖値が下がることで脳はエネルギー不足を起こし「頭がボーっとする・注意散漫・考えがまとまらない・やるきが起きない」といった症状が現れます。
疲労回復のためにプロテインに期待する理由
たんぱく質が疲れにくい身体を作る理由は6つあり、
「身体的な疲労」「精神的な疲労感」などに効果を発揮すると考えられています。
成長ホルモンの分泌が促される
肉体的な疲労が溜まっている時というのは、筋肉や細胞がダメージを受けている状態です。たんぱく質を摂ることで成長ホルモンの分泌が促され、これらのダメージを修復させるために働きます。
セロトニンやドーパミンなどホルモンのもとになる
多くのホルモンや神経伝達物質はたんぱく質がもととなって作られているため、たんぱく質が不足することでセロトニンやドーパミンといった心の健康にとって重要なホルモンが作りだせなくなります。
アルギニンが肝機能を活性化させる
必須アミノ酸であるアルギニンには、肝機能を活性化してアンモニアの排出を促す働きがあります。
BCAAがブドウ糖のエネルギー利用をサポートする
たんぱく質に含まれるBCAA（バリン・ロイシン・イソロイシン）は糖原性アミノ酸と呼ばれ、エネルギーとして使われたブドウ糖をリサイクルすることで脳のエネルギー不足を防ぎます。
トリプトファンが睡眠の質を上げる
必須アミノ酸であるトリプトファンには、日中はセロトニンへ変化し夜になるとメラトニンに変化する働きを持っています。メラトニンが不足すると、免疫力の低下・不眠といった症状が起き、睡眠不足に伴う疲労や疲労感の蓄積に繋がります。
睡眠は、心身のバランスを整えるのに非常に大切な活動です。トリプトファンをしっかりと摂取することで、入眠をスムーズにし睡眠の質を改善することが期待できます。
アラニンとヒスチジンでイミダペプチドを作り出す
イミダペプチドには高い抗酸化作用があり、脳内に溜まった活性酸素を除去する働きを持っています。抗酸化作用がある物質は他にもありますが、イミダペプチドは脳内に到達することができる数少ない抗酸化物質の一つです。
このイミダペプチドは、ヒスチジンとアラニンという二種類のアミノ酸が結合してできているため、たんぱく質をしっかり摂取することでイミダペプチド不足を防ぐことができます。
プロテインを飲んだら太るって噂は本当？
食事で足りないタンパク質をプロテインで摂取できることが疲労回復の味方になる分かっても、プロテイン＝タンパク質ならば、プロテインを飲んだら太る？と日常的に運動をしていない人は心配に思うかもしれませんがプロテインの割り方に気を付け、適量を摂取するのであれば、プロテインを飲むことが太るということには直結しません。
プロテインでタンパク質を摂取しよう
疲れにくい身体を作るためには、「疲労物質が蓄積されるのを予防する」これに加えて「疲れを感じる時に体内で失われがちな栄養素を不足させない」この2つがポイントとなります。そこでカギとなるのがたんぱく質です。
プロテインを活用し、たんぱく質を必要量しっかりと摂取して疲れにくい身体を作りましょう。プロテインを活用して手軽にタンパク質を摂取する方法をご紹介してます。ぜひ簡単で美味しいプロテインのアレンジレシピに挑戦してみてくださいね。
