プロテインについて学ぶ
プロテインの名称を解説【たんぱく加工と食品蛋白補助食品】とは?
日本では加工食品のパッケージに、名称を明記する義務があります。プロテイン関係の商品にどのような名称が付けられているのか、名称ごとにどのような内容の違いがあるのかなど、「プロテイン製品の名称」について考えていきます。
食品の名称とは
日本では、加工食品にその内容を表す一般的な名称が記載されています。これは、消費者が製品の内容を誤認なく理解できるようにと示されているものであり、食品表示法という法律により義務付けられています。
「名称」とは商品名ではなく、基本的には食品衛生法や食品表示法・乳等省令にて定められた定義に従って決められている“食品の内容を表す名前”のことです。新製品等で、名称が広く通用しないと判断される場合においては、見ただけでどのような内容の食品であるかが判断できるものであれば、名称として認められるなど例外もあります。
例えば、牛乳は牛乳、加工乳、乳飲料、と大きく分けて3つの名称に分けられます。生乳そのままを原料としているのか、他の原料と混ぜ合わせて作られたものなのかを名称を見るだけでわかるようになっています。
プロテインに付けられる名称とその意味
たんぱく食品 / たんぱく加工食品
プロテインが多く配合されている食品全般に対して使われている、最もスタンダードな名称です。プロテインパウダーを原料に使用し、豊富なたんぱく質を補うことができる食品に使用されています。
プロテインパウダー
たんぱく質を粉末状に精製した加工食品に対して使われる名称です。
プロテイン以外の成分を添加しているか否かについての明確な基準が設けられていないこともあり、甘味料が添加されたプロテインドリンク用のパウダーに対して使われることもあります。
粉末たんぱく飲料
形状としては粉末で、液体に溶かすことで飲料として摂取することを目的とした食品は「粉末○○飲料」という名称がつけられます。スポーツドリンクやジュースなどには「粉末清涼飲料」という名称が使われますが、プロテインドリンクに対しては「粉末たんぱく飲料」という名称が用いられます。
甘味料や香料、その他のビタミンやミネラルが添加されているか否かは問題ではなく、たんぱく質摂取のために加工されたものであることが条件となります。
乳飲料
パウダー状ではなく、すぐに飲料として飲めるよう加工してあるタイプのプロテインドリンクに多く記載されています。
牛乳や低脂肪乳などをベースに加工されているものの栄養強化や嗜好性向上のため牛乳由来以外の成分も使用して作られている飲料に対して使われる表現です。プロテインパウダーは牛乳由来であっても、甘味料やフレーバー・ビタミン・ミネラルなどの牛乳以外の成分を配合しているためこのような表記になります。
たんぱく質補助食品
栄養成分の補給、又は特別な保健の用途に適する食品のうち、錠剤・カプセル等通常の食品の形態でないものを栄養補助と明記することができます。しかしこの定義は法律などによって含有量などの基準が定められているものではなく、明確な基準がある保健機能食品とは別物です。俗にいう健康食品の一種であると考えておきましょう。
EAAやBCAAなどのたんぱく質系のサプリメントに対して使われています。
栄養調整食品
完全栄養食とは、3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)だけでなく、ビタミンやミネラルなど、厚生労働省が策定した1食あたりの必要な栄養素のすべてを満たしている食品を意味しています。この完全栄養食を目指して、成分を加工・調整して作られた食品の名称が栄養調整食品です。
しかしこの名称も食品表示法などに基準が設けられているものではなく、あくまでも完全栄養を目指した食品の通称であるに留まります。プロテインの配合されているシリアルバーなど食事の代用にできる栄養素を兼ね備えた製品に明記される傾向にあります。
たんぱく質強化とは
加工食品のパッケージに高たんぱく質やたんぱく質強化というキャッチフレーズが書かれているものがあります。これらの言葉一つ一つにも、消費者庁が定めた基準があり、条件を満たした加工食品にのみ、「高」や「強化」という言葉の使用が認められています。
まず高たんぱく質についてですが、
「100gあたり16.2g」もしくは「100㎉あたり8.1g」
のたんぱく質を含むという基準があります。
たんぱく質強化については、「対象と比較して25%以上多いこと」という基準が設けられています。何を対象としているかについては、製品のパッケージに記載されているので確認しましょう。
プロテインの特徴が一目でわかる
ひと昔前までは、プロテインという単語がまだ一般的ではないことから「プロテインパウダー」という名称は使われていませんでした。近年ではプロテインの認知度が高まり多くの人が名前から内容を判断できるようになったことから、粉末タイプの製品の多くにプロテインパウダーという名称が使われています。
プロテイン製品を購入する際には、名称をチェックしてみてはいかがでしょうか。